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美術は静かに無題さんに語りかける。#08 | Untitled Vol.9

美術館の工事が無事完了!無題さんの前に最後に現れた作品とは….

黒川紀章、広島市現代美術館、1989年
広島市現代美術館は、全国で初めて現代美術に本格的に取り組む公立美術館として1989年5月3日にスタートしました。建物は、建築家・黒川紀章による設計で、古代ヨーロッパの広場を思わせるアプローチプラザ、日本の蔵を思わせる三角屋根などを特徴とする、広島を代表するポストモダン建築です。無題さんが移動に使っていたのは、アプローチプラザの屋根部分。ドーナツ型の屋根には、爆心地の方角に向かって切れ目が入っています。

比治山の自然景観と調和しながら、美術館としての先駆性が表現された建物には、垂直軸に沿って下から順に自然石、タイル、アルミと変化する素材が使われています。それらは過去から未来への文明の発展や時間の流れを表し、設計者独自の「共生の思想」を体現しています。

約2年3ヶ月にわたる改修工事では、設計者・黒川紀章による意匠を大切にしながら、経年劣化した箇所の「機能回復」と、これからの美術館に求められる機能を追加する「機能拡張」を行いました。

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